2022年03月11日

3月のコンサートのお知らせ

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毎年、世界のあちこちで、災害が起こり犠牲者があり、それらは人ごとではなく、その度に心が痛みます。
3月11日、あの日のこと、大きな揺れ、都内の裏道までも渋滞し、動けなくなったこと、時間が進むにつれ仙台の弟家族と連絡がつかなくなっていったこと、テレビで流れる津波情報、体がここにない感じ、言葉にならないショックと不安・・・蘇ってきます。数日後の原発事故という人災が重なり、人生の転換期になりました。
今、コロナ禍にある私たちは、目の前の自分の生活に追われて、あの時の、そして今に続く解決しない事故処理や被害者の抱えている問題の重さ、一人一人の日々の生活に関わっていることを忘れがちになります。3月10日が東京大空襲の日であったことも、いつの間にか取り上げられなくなってしまい・・・。過去の戦争も災害も、記憶の彼方にいかないように、せめて一年に一度、思い出すのは意味があると思います。
疫病に戦争、世界で、身の周りで起こる様々なこと。その中でも、どうか福島の原発事故のこと、それが引き起こした、今に至る繊細な問題や人々の気持ちを忘れないでください。現状から目を背けずに・・・。
コロナ禍で行動の自由がなくなっていることは、支援活動にも大きな影響が出ています。保養プログラムもストップしたり、被害者の人たちが会う機会がなくなったり。直接話し合う機会がなくてストレスを溜め込んでしまうのは、コロナ禍で多くの人が経験していることですよね。
行動だけでなく、言論、思想、信条の自由を奪われるとどうなるか・・・。
今、こうしている間にウクライナで人々が傷つき命を落としていることが悲しくつらい。ロシアの権力者はどうしてウクライナをいつも自分のものにしたがるのか。どうして他国を侵略し、武器を使って人を殺し、街を破壊したがるのだろう。子どもたちが泣いている!大事な人が離れ離れになる。原発を攻撃したらベラルーシやロシアの人も危険に晒されるのに、何を考えているのだろう?人間の命は?
誰もが同じ地球上でしか生きられないし、逃げる場所も地球上しかないのです。国や土地、国民は、権力者の思い通りにならない!

音楽によって謙虚で温かく寛容になれて、命を守り、信頼を取り戻し、人間の良い部分で繋がれますよう。心から願って演奏します。音楽には命を生かす力があります。

毎年この時期に開催している「ミホプロジェクト祈りのコンサート〈ひまわりの丘〉 福島の子どもたちとともに」、今年は2月25日ライヴコンサートを東京で開きました。その模様を収録し、3月11日から31日までオンライン配信コンサートを行っています。
💡視聴チケット お一人2,000円(3月30日まで購入可能)
配信のお申込み方法は2通り
1)Peatix ピーティックス(クレジットカード/コンビニ/ATM)
https://mihoproject2022.peatix.com/
2)ミホプロジェクト申込みフォーム(郵便振替)
https://mihoproject.wordpress.com/online/

3月20日(日)に、信濃町の日本キリスト教団信濃村教会にて小さなコンサートをします。この教会の船水牧夫牧師がこの3月いっぱいで退任されるので、その前にぜひ、と急遽開催を決めました。コロナ禍で先生も思うように活動がお出来になれなかったとお察しします。毎週の礼拝では凝縮したメッセージがますます冴えて来られたように感じていたので、とても残念です。厳しいキリスト者としてのご自身の覚悟が証しされ、聖句から今生きている社会の問題や私たち自身の問題を考え、身の周りから世界の平和を祈り、最後の温かな祝祷。信濃町でこんな素晴らしいお話がうかがえるなんて、と毎回、目が開かれるようでした。まだたくさん教えていただきたかったのに。先日の退任正式発表された時のお祈りには涙がでました。
人口の少ない町では人々はコロナ感染を恐れ、なかなか集まりには出てこられないでしょうけれど。感染予防対策を講じて、一時間のプログラムで、トークも最小限に行います。
ヒルデガルトの歌で始め、受難節のコラールと詩篇歌をバッハの無伴奏組曲や他の曲と組み合わせて進めます。
ハンガリー民謡を基にしたコダーイの「孔雀は飛んだ」は、第2次大戦でヨーロッパがファシズムの侵攻された時、独裁政権下のハンガリーで抗議を意味をこめて作曲された作品。
ウクライナ民謡も演奏します。5、6年前に福島の原発事故避難者を支援する団体が、チェルノブイリの原発被害の子どもたちを診てきた医師スヴィトラーナ・ベスパーロヴァさんと被災者支援の市民団体代表タマーラ・クラシツカさんを招いてお話を聞く会を東京で開催し、そこで演奏する機会をいただきました。その際、有名なウクライナ民謡を編曲したものを今回あらためて手直ししました。
受難から復活への希望を持って、最後にパブロ・エスカンデ氏の「白い馬のフィドル」を演奏します。

3月20日(日)12:00開演(11:45開場)
富田牧子チェロコンサート

【場所】日本キリスト教団 信濃村教会 礼拝堂
定員30名(予約優先)
【料金】一般2000円/学生500円 未就学児無料
【主催/予約/問合せ】
日本キリスト教団 信濃村教会[信濃町柏原369-2]
☎ 026-255-2075
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チラシはこちら.pdf

3月24日(木)は、バロックチェロの橋弘治氏のリサイタルシリーズで共演します。秋の初共演では多く学ばせていただき、バロックチェロの奏法を一から見直すことになりました。17、18世紀のチェロのレパートリーにはあまり演奏されていない曲がたくさんあります。今回はイタリアのトリノ出身でパリでも活躍した名手たちの作品をご紹介。室内楽、特にチェロの響きの良いサルビアホールで弾くのは、カルテットでの出演以来で、楽しみです。
どうぞよろしくお願いいたします。

2022年3月24日(木)2回公演 14:00開演/19:00開演
鶴見de古楽 橋弘治 バロック チェロ リサイタル 共演
〜バロックチェロ 2本の響き イタリア・トリノからフランス・パリへ〜

【場所】鶴見区民文化センター サルビアホール 3階 音楽ホール
【料金】一般¥3900円/ペア7200円 
全席自由 (各回50席限定)
【主催・予約・問合せ】VIA GALLERIA(ヴィア・ガレリア)
☎︎045−961−0813 info@viagalleria.or.jp
コンサート詳細情報&お申し込みページはこちら
チラシはこちら

横浜・関内のベルーガオルガン練習室でのデュオレッスンは月末に予定しています。こちらもどうぞ!
3月26日(土)13 時/14 時/15 時 *時間は応相談
【会場】 BELUGA オルガン練習室 [JR 関内駅3分] 横浜市中区常盤町3-34和風ビル2F
【料金】10,000円/60分(準備・片付け時間を含む)
*レッスン前に手洗いまたは消毒、 レッスン中はマスクの着用をお願いします。
【申込み】
@お名前  Aメールアドレス  B電話番号  C曲名(原語で) D楽器 E希望日時(可能な時間を多めに)
を明記のうえ、1週間前までにお申し込みください。期日過ぎた場合も相談可。
BELUGA(ベルーガ)オルガン練習室
📩belugaorgan@icloud.com ☎︎0 4 5 ( 6 6 2 ) 5 5 3 6
💡ご案内チラシpdfは2022年1月〜3月belugaデュオレッスン.pdf

2022年03月16日

3月20日信濃村教会コンサートのプログラム

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信濃町での今週末のコンサートは、受難節と今のウクライナの悲惨な現状に合わせたプログラムです。過去の戦争での独裁政権の支配から解放を願う人たちの民謡も含め、そして最後に復活へと希望を持つ音楽を演奏します。

3月20日(日)12:00開演(11:45開場)
富田牧子チェロコンサート
【場所】日本キリスト教団 信濃村教会 礼拝堂
定員30名(予約優先)
【料金】一般2000円/学生500円 未就学児無料
【主催/予約/問合せ】
日本キリスト教団 信濃村教会[信濃町柏原369-2] ☎ 026-255-2075
💡コンサートのご案内記事

プログラム

ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお魂の牧者よ
Hildegard von Bingen (1098-1179): O pastor animarum

G. B. ヴィターリ:パッサ・ガッリ
Giovanni Battista Vitali (1632-1692): Passa galli


おお人よ 汝の大いなる罪を嘆け[受難節コラール]
O Mensch, bewein dein Sünde groß [Passion]

J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007
J.S.Bach (1685-1750): Suite for cello solo in G major BWV 1007
前奏曲/アルマンド/クーラント


ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:顔を赤らめし時に
Hildegard von Bingen : Cum erubuerint

M. ルター:詩篇130篇 深き淵より われ 汝に呼ばわる、主よ
M. Luther: Psalm 130 Aus tiefer Not schrei ich zu dir

J. シベリウス:フィンランド讃歌
J. Sibelius (1865-1957): Finlandia Hymn

J. シベリウス:私には富も名声もいらない(5つのクリスマスの歌より)
J. Sibelius: En esti valtaa, loistoa, en kaipaa kultaakaan


M. ルター:詩篇12篇 ああ神よ、天より見そなわし
M. Luther: Psalm 12 Ach Gott vom Himmel sieh darein

広きドニエプルの嵐(ウクライナ民謡/富田牧子編曲)
The Mighty Dnieper (Ukrainian Song)


M. ルター:キリストは死の縄目に繋がれたり[復活のコラール]
M. Luther: Christ lag in Todes Banden [Ostern]

J. S. バッハ:無伴奏組曲第6番 ニ長調 BWV 1012 より サラバンド
J.S.Bach: Sarabande from Suite No. 6 in D major BWV 1012


M. ルター:キリストは死の縄目に繋がれたり
M. Luther : Christ lag in Todes Banden

Z. コダーイ(富田牧子編曲):孔雀は飛んだ
(ハンガリー民謡を基に1937年作)
Kodály Zoltán (arr. by Makiko Tomita): Fölszallott a páva (1937)


ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:慈愛は万象に満ち溢れ
Hildegard von Bingen : Caritas abundat

死を(J.S.バッハ:カンタータ第4番「キリストは死の縄目に繋がれたり」より)
Den Tod, (Excerpt from “Christ lag in Todes Banden, BWV 4” by J.S.Bach)

パブロ・エスカンデ:白い馬のフィドル(2020年委嘱・2021年初演)
Pablo Escande (1971- ): White Horse’s Fiddle (2020)
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除雪した雪の山が家の脇や道端、あちこちに残りますが、小鳥たちが元気に歌い、春の光が差しています。春を待ち望む・・・

2022年03月31日

バルトークによるウクライナの民謡収集

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20世紀の初め、ハンガリーの民俗音楽を収集し科学的に研究したコダーイ・ゾルターンとバルトーク・ベーラは、1905年にグルーバー・エンマ夫人(のちのコダーイ夫人)のサロンで知り合います。彼らはハンガリー各地に民謡収集旅行に出かけ、農民が歌う村の古い歌を採譜、録音しました。
バルトークが収集した民謡には、ハンガリーだけでなく、スロヴァキア、ルーマニア、ウクライナ(ルテニア)のものがあります。当時のオーストリア=ハンガリー帝国のハンガリー王国の領土は現在よりも広かったので、国内のスロヴァキア系、ルーマニア系、ウクライナ系の人々の住む地域で調査し、それらの言語で歌われている民謡を集めたというわけです。
バルトークが訪れた北東ハンガリー(当時)のウゴチャ県、べレグ県、マーラマロシュ県は、カルパティア・ルテニアと呼ばれた現ウクライナのザカルパッチャ州(ウクライナ名:ザカルパーツィカ・オーブラスチ)の一部。カルパティア山脈の南西部、トランスカルパティア低地と呼ばれる地域です。1911年に彼は初めてウゴチャ県の首都ナジセーレーシュ(ウクライナ名:ヴィノフラージウ)に収集旅行しました。
彼の『2つのヴァイオリンのための44のデュオ』はハンガリー、スロヴァキア、ルーマニア、ブルガリア、ルテニア、アラブの音楽(民謡)を使った曲集です。一曲は1分から数分までの短いものばかりだが、濃いエッセンスが詰まった、魅力的で楽しい音楽です。その中の第10、16、23、24曲がルテニアの民謡です。第35曲は「ルテニアのコロメイカ」という舞曲のスタイルですが、これはバルトークのオリジナル作品。コロメイカは二拍子の速い踊りで、今でも祭りや結婚パーティで踊られています。
第10曲はマーラマロシュ県ドルハ(現ウクライナのDovhe)、
第16曲は同じくマーラマロシュ県のサールドボシュ(現ウクライナのSteblivka)、
第23曲と24曲はウゴチャ県ヴェレシュマルト(現ルーマニア・トランシルヴァニアのシビウ県ロシアRoşia)、
4曲とも1911年に収集されたもの。

ヨーロッパ(に限りませんが)では権力者が少しでも領土を広げようと、戦争ばかりしてきました。大陸にある国は、国境が時代によって変わります。国境近くの地域はその時々で使う言語を強制的に変えられたところもあります。
土地に住み続けていた人々は、風土にあった生活をし、それぞれの言葉を話し、彼らの言語による歌を歌い、楽器を作って演奏し、それに合わせてダンスを踊ってきました。国境線は後から引いたものです。人が動き、交流し、民族が混ざり、互いに影響し合うことで新たな文化も生まれます。世界中を移動できる現代に、様々な言葉を話す様々な出身の人々がお互いの命と仕事を尊重して、創造的な人間として生きる可能性があるはず。地球が存続するための希望になるのでは?世界中の音楽を楽しむことができるのと同じように、一つの国の中に様々な民族がいることは宝なのだから。
長い年月をかけて伝え続け、コツコツと作り上げてきた生活、文化、芸術、風習、建造物。
戦争は誰かの大切な命や物を破壊します。魂を破壊します。
人権や環境問題を語っていても、核や爆弾による破壊で全てが無になります。
NO WAR. NO MORE WAR.
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posted by makkida at 18:46| あんなこと こんなこと | 更新情報をチェックする
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