
ベートーヴェンからの手紙第二弾では、ベートーヴェンのソナタと変奏曲のほかに、ハイドンと、「あれ?どこかで聴いた、これアノ曲じゃん!」を集めました。
編曲というと、正統じゃないイメージを持たれる方もいらっしゃるでしょうか?パロディや、○○の主題による作品は、作曲家が一から造り上げたものより劣ると思われるでしょうか?
「楽器を弾く、演奏する」play、spielen、játszik...は、遊ぶ、演じる、ゲームをする、の意味もあることばなのだから、思いっきり遊ばなくっちゃ。
過去から学ばなかった人など誰もいない。大先輩の作品をそのまま編曲するなんて、偉大なバッハだってしていた。そして、人々が口ずさむ民謡や、聖歌、コラールを主題にして新しく作曲するのは当然のこと。敬愛する音楽家の作品から使ったり、ベートーヴェンの「ヘンデルのユダマカベウスの主題による変奏曲」のように、献呈者に敬意を表するために立派な歌詞がついた歌を使ったり、あるいは、冗談をしてみたり。
いい編曲かどうか、それは音楽家のセンスと実力なのです。その人しか出来ないものになるのです。
さて、ベートーヴェン以外の音楽は、というと。
ハイドンのバリトン(baryton弦楽器)とヴィオラ、チェロのためのトリオを、チェロとピアノのために編曲したもの。ハイドンが仕えていたニコラウス・エステルハージ候は音楽愛好家でバリトンを弾きました。
どの音楽も、関わりのある人や出来事の影響で生まれるものです。ですから演奏するときには、その作曲家の生きた時代背景や、どんな暮らしをしていたか、どんな人が周りにいたか、様々なことを知って、自分のなかで生きた人間として浮かび上がらなければその音楽にならないのです。
あ、話を戻します。
それからアントニン・クラフトのチェロソナタ作品1の2から...音楽のジョークは当日のお楽しみ!
3月のおはなしコンサートでは、話が長くなり、ソナタにたどり着くまでにかなり時間を使ってしまい、レクチャーになってしまいました。実は、それがやりたかった...のですが。「弾きながら解説」型「レクチャーコンサート」は、いずれ企画&実現したいと思います。「おはなし」程度ではなくなってしまった点は反省し、次回おはなしコンサートは構成を整理させていきます。
5月の洋館コンサートでは話は少な目にしますので、どうぞ懲りずにお聴き頂けましたら嬉しく思います。
今回、野神氏の素敵な愛らしいフォルテピアノを使わせて頂けて幸せです。このピアノとのアンサンブルはどんな響きになるでしょう!楽しみです。モーツァルトが使っていたピアノと同じ製作者ワルター(製作年代は違いますが)のレプリカです。
モーツァルトがチェロとピアノのために完全な作品を遺してくれてたら!!!と思います。
5月の中旬、きっと爽やかな風そよぐなか、横浜の港のみえる丘公園ではバラが咲いているでしょうか。
もしよろしければぜひ足をお運びくださいませ。お待ちしております。