2016年01月14日

LigetiとKurtagとの出会い

今年は、長年温めていたアイデアを実現できるコンサートを計画しています。バッハと現代曲いろいろ織り交ぜた、リラックスしたコンサート。まさかソロで実現可能になるとは考えていませんでしたが。

ハンガリー出身で、3歳違いの友人であった二人のジェルジュ。ハンガリーといっても両者とも生まれはトランシルバニア(現ルーマニア)でした。二人が初めて出会ったのは、1946年のブダペストのリスト音楽院の入学試験だったそうです。
初めてリゲティの無伴奏ソナタを聴いて、いいな、と惹かれたのはハンガリー留学中でした。もう14、5年前になるのか・・・。リゲティのバースデーコンサートがブダペストのリスト音楽院の大ホールで行われました(でも2003年ではなかった気がするから、80歳になる前の記念コンサートだったのだろうか。覚えていません)。舞台上の作曲家は大きくてユーモアと温かみのある人でした。ユダヤ系の彼が第二次大戦中にどんなに壮絶な体験をしたか(家族をアウシュビッツに送られ、母親しか戻ってこなかった)を私が知ったのは、それからずっと後のことでした。無伴奏ソナタの楽譜をすぐ購入したものの、弾いたのは日本に帰って数年経ってからです。一楽章の歌うようなディアローゴは魅惑的でしたが、二楽章の無窮動ばりのカプリッチョでは指使いを考えるのが一苦労でした。
クルタークの音楽を初めて聴いたのもブダペストでした。パリからアンサンブルアンテルコンタンポラン(先日亡くなったピエール・ブーレーズが作った現代音楽を演奏するアンサンブル(室内オーケストラ))のメンバーが来て、クルタークの「サイン、ゲーム、メッセージ」などを次から次へと演奏してくれました。繊細で知的なアンサンブルに飢えていた私は、彼らの洗練されて自在で自然な響きに衝撃を受けました。帰国して、チェロ独奏曲を初めて弾いたのは6年前。弦楽四重奏でも弾きましたが、なかなか私自身が自由になれず、イメージに身体が追いつかず、作曲家に恐れを抱いて近づけない、そんな体験でした。
今、久しぶりに二人のジェルジュにお会いして(笑)、遊びのある音楽にとても親近感を抱いています。懐かしい気持ちです。
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