2016年02月14日

空間を感じる

ダンサーの身体の周りの空間を感じることができる。そんな体験を、また、した。インバル・ピント&アブシャロム・ポラックダンスカンパニーの"DUST"。
大勢で踊っても、ひとりひとりの周りに空気の動きがある。音楽の呼吸にあった、呼吸する身体の動き。それぞれの身体の、その動きによって生じる流れがそれぞれあり、全体の空間も心地いいバランスを取っている。涙の洪水でも、地に沈み込むような重苦しいものにはならず、その広がりはとても軽やか。爆撃や戦争が近くにあるなかで、この軽やかな、個々が生かされているエネルギーとは、いったいどういうことなんだろう、と考えてしまう。
現代だけを見回しているのではなく、古い物から学ぶことは多い。
音楽の作り方も興味深かった。演者の語り(声)がそのまま効果音となり、なんと自然にベートーヴェンにつながっていくことか!
真新しく刺激的な物が「現代」なだけでなく、人間が大昔から受け継いでいる物が土台にあり、歴史が背景にあることは、大事だと思う。
舞台、ダンスや演劇と一緒に音楽をしてみたい。

「羊とヤギ」今回のプログラム、前半は、中世のダンスや頌歌、民謡を詩のように連ねた形で試みます。即興や変拍子によるブルガリアのリズムの踊りもあります。
後半は、バルトークの「ルーマニア民族舞曲」、ピアソラの「タンゴエチュード」「ESCUALO(鮫)」です。

ヒーラー(癒しの)パーカッショニストのコスマスと、ガット弦のチェロの音で、演奏者もお客様も、気持ち良くなって、元気になる場にしたいと思います。曲紹介や説明は最小限にして、とにかく音で流れを作り、風通しのいい空間にできれば。
聴いている人の身体が自然に動いて、声を出したくなってしまうような演奏ができたら!
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