2016年05月04日

6月4日 丸木美術館コンサート

新緑の眩しさが身体を生き返らせてくれるようなこの季節、熊本の地震の被害は痛ましく、自然と共存する難しさを考えさせられる毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
来る6月4日に、故丸木位里・俊夫妻の原爆の図がある丸木美術館でコンサートの機会を頂きましたのでご案内申し上げます。
人間同士の無理解により、分断と破壊が絶え間なく続く世界。私たちがあらゆる民族や時代の音楽をできるのは、平和だから。それを手放さずにいたい・・・。
自然に囲まれた丸木美術館で丸木夫妻の絵に触れ、厳しさだけでなく、大地の包容力を思いました。民謡を土台にした、独自の音の身振りを持つハンガリーの20世紀の音楽をすぐにイメージしました。それを現代の様式の楽器で。バッハはバロックの様式で。素朴で豊かな表情を持つガット弦を張った、2台のチェロを使います。生命力溢れるパーカッションとのアンサンブルでは、自由な音の世界に心が解き放たれるように、と願います。

選んだ曲は、私の中に潜在する音楽や、希望とする音楽の在り方に直結するものです。
チェロを弾くときに、宇宙や世界と私の内面がぴったり一致し、広がっていくのが可能なコダーイ。美術館の学芸員岡村さんからリクエスト頂いたバルトーク。バルトークを弾くなら、ピアノとではなく、元々の民族音楽の本質的要素を出せるパーカッション、しかも軽やかで力強いエネルギーを持つリズムと、魂の音を打ち出すコスマス・カピッツァさんと。
ジョルジュ・リゲティはトランシルヴァニア(現ルーマニア)生まれのユダヤ系ハンガリー人でした。両親と兄弟をアウシュビッツに送られ、戻ってきたのは母親のみ。戦後ブダペストで音楽を学び活動を始めるも、旧ソ連の支配に人々が蜂起した動乱が起きた年にハンガリーから亡命し、西側で活躍します。チェロソナタは、まだハンガリーにいる頃の、民謡の要素が濃く残る作品です。
これらの作曲家が強く影響を受けたJ.S.バッハの、特に内面的な性格を持つニ短調の無伴奏組曲と合わせて、そのほかにもパーカッションとの即興的な演奏も予定しています。

音から受ける印象を皆さまそれぞれの方法で味わっていただきたいので、曲間の説明などは最小限に抑えたいと考えています。

場所は駅から遠いのですが、もしよろしければお誘い合わせの上、ぜひお越しいただけましたら幸いです。
ご予約は美術館、または私へ、ご連絡お待ちしております。

展覧会のご紹介はこちらをご覧ください。チラシもご覧いただけます。

6月4日(土)14時
原爆の図丸木美術館 富田牧子チェロコンサート
共演:コスマス・カピッツァ(パーカッション)
場所:原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市下唐子1401)
詳細はこちら
プログラム
J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調
Z.コダーイ/無伴奏チェロソナタより 第1楽章
G.リゲティ/無伴奏チェロソナタ
B.バルトーク/ルーマニア民族舞曲・・・・・・ほか
ご予約・お問合せ:丸木美術館 TEL 0493-22-3266 FAX 0493-24-8371 E-mail:marukimsn@aya.or.jp
posted by makkida at 22:24| あんなこと こんなこと | 更新情報をチェックする
当サイトの写真、記事の無断転載・無断使用はご遠慮ください。 Copyright 2023 Makiko Tomita Kida, all rights reserved.