2016年12月25日

題名と説明がアート!?

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現代美術の展覧会からは、プロデュースやプログラムの組み方、見せ方など、コンサートの制作において学ぶことが多い。
もし、匿名の無数の死を、その記憶を芸術で表現するならば、静かな風景をスクリーンで映し出すのではなく、実際に自然の中で同じことをやり続けてはどうだろうか。本当の静けさの中で、風に揺られて風鈴の音が聞こえるとき、人それぞれの音が聴こえてくるはずだ。聴覚と視覚以外の、感覚が呼び覚まされたときに、作者が表現したいことが現れてくるのではないだろうか。
映像にしたとしても、ほとんど誰も訪れることのない土地を選ぶのならば、具体的に、放射能で汚染されて人が訪れることのないような地で、「小さな魂」たちの声を鳴らしてみてはどうだろうか。
題名と説明と宣伝の仕方が「アート」か、と拍子抜け。
記憶をテーマにしているクルタークの音楽の、その楽譜のたった一段の方が、想像の世界に誘ってくれる。私の持つたくさんの感覚が喜ぶ!
そんなテーマを表現するには、静けさが必要だ。
接した人が、無言の「なにか」を得て、たくさんの言葉を生み出す。作品そのものが発しなければ。

2016年はクルタークの「しるし、遊び、伝言」のうち、金属製弱音器を使用する曲を除いて、全て演奏することができた。これからバッハとの組み合わせ他、面白いプログラム&プロジェクトを考えていきたい。
重い弱音器(消音器)をつけたあとは楽器が鳴らなくなるので、なるべく使いたくないのだけれど・・・あと2曲、なんとかやってみるかなぁ。
posted by makkida at 19:03| あんなこと こんなこと | 更新情報をチェックする
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