2017年05月08日

ガットの喋りと歌で表す宇宙

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BELUGAコンサートシリーズ、第2回にむけて。
今年はコダーイ没後50年です。節目の年に、J.S.バッハと組み合わせたシリーズで演奏できる機会が持てたことを幸いに思います。

第1回は、チェロという楽器が現れた1600年代の、イタリア・ボローニャで活躍したヴィターリとD.ガブリエッリを加え、J.S.バッハへ繋ぎました。前回の不足も生かしたく、次回は、20、21世紀のコダーイとクルタークに至る旅も工夫するつもりです。バッハを敬愛した二人のハンガリーの作曲家は、独奏チェロのために個性的な作品を残してくれました。バッハの組曲が書かれてから、コダーイの無伴奏ソナタは約200年、クルタークの方は260年〜290年後に生まれました。バッハの無伴奏チェロ組曲という圧倒的な存在が、小さな川(Bach)のように近現代の音楽家それぞれに注ぎ込む、またはその逆を想像できるようなプログラムを構成したいと思います。

大雑把な歴史の流れを踏まえた上で、それぞれの音楽家の独自性を見ていきたいと思います。
教会や宮廷の王侯貴族のための限られた場所での音楽から、フランス革命が起こり市民が生活の中で芸術音楽を楽しむようになる。職人的だったものが、音楽家も個として自立し、やがてスターのような演奏家が現れる。サロンのような小さな空間で演奏されていたものが、1000人以上の大ホールで演奏される音楽になる。産業革命が及ぼす楽器の移り変わり。20世紀前半は大きな戦争が今に至る悲劇を引きずり、コンピュー社会が人々の生活に大きく影響を与え、それぞれの音楽家が色々なスタイルで活動する現代・・・。
そんな膨大な情報量を、一つのコンサートで消化するのは不可能です。

大きな歴史の流れの中でも、個々人が何百年、何千年の昔の何かと直接つながることはあります。
コダーイやクルタークが一人の人間としてバッハを見つめ、それを私が捉え、今、演奏する不思議さ!
それは、単に過去に遡って古いものを再現しているだけではありません。
自然界に存在する素材を使った、木の楽器に羊の腸の(ガット)弦を張り、それぞれの音楽家の世界の人となって言葉を喋り、歌を奏でる、という私だけで成り立たない、私個人をも離れた人間の仕事。何が起こるか分からない良さ、ワクワクも含めて(生きもののである木とガットは、まさに何が起こるかわからない)・・・。ガット弦の多彩な表現や喋り方は弾くたびに新しいものです。何年も使っている楽器とはいえ、いつも新鮮な気持ちで彼(彼女)の調子に耳を傾けながら弓を当て、私の呼吸と一緒になると、楽器が鳴り出し私の身体が巡り出します。
人間の身体や楽器の小さな宇宙から、芸術、そして大きな宇宙まで、自然に繋がるような音楽をしたいと思います。

2017年6月11日(日)昼の部13時半/夜の部17時半
BELUGAコンサートシリーズ
チェロコンサート全3回シリーズ vol.2
「無伴奏チェロの愉しみ〜ガット弦で弾く J.S.バッハ、コダーイ、クルターク」

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009
Z.コダーイ:無伴奏チェロソナタ 作品8より 第2楽章
G.クルターク:『しるし、遊び、メッセージ』より 「バラトンボグラールの思い出〜シェルター・ユディットの誕生日に」、「ソクラテスの別れ」
・・・ほか
於 BELUGAオルガン練習室(横浜市中区常盤町3−34 和風ビル202)
💡チラシはこちら20170611Beluga.pdf
posted by makkida at 12:14| 無伴奏チェロ Gut Feeling! | 更新情報をチェックする