
今年の桜の見頃は、東京のほか、仙台、京都、松本回りましたがどこも一週間くらい早かったようです。
京都の美術家、木坂宏次朗氏の個展(銀閣寺近くのギャラリー揺にて)に行ってきました。
彼は「時間」を大事にしているようです。絵は時間のある一点を切り取ったものですが、作家は時間を重ねて描き、人はその前後を想像することもできます。
あるものに反対(逆)のものが含まれます。生を描く(考える)ということは死も描く(考える)ということ。永遠を考えるとき、時間を経て物が朽ちていくことも考える・・・。
著名な作家や哲学者の言葉や文章に反応し、彼らがどのように見ていたのか、それを絵にしようとする。人はこの言葉をどう考え、どのように物を見ているのか、頭の中、思考を絵にしているように思いました。
例えば瓶を描くとき、配置、光、どこから見るか、など一人一人違います。平和、幸せ・・・ある言葉一つとっても、その使い方や捉え方には少しずつ、あるいはだいぶ違いがあります。絵を見て何を感じるか、それは見る人の中にあるもので見ています。思考回路は人それぞれにあります。
それは当然のことなのですが、繊細な筆や色や線で描かれた作品を前に、言葉を追い、考え迷う、その過程を楽しんでいるのを感じるのです。