2018年04月18日

つながりを思う

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音楽家にとって人との繋がり(だけ、と言ってもいいくらい)が演奏活動を続けていく上で大事なことだと思います。
自分が目指す形、死ぬまでにできるかわからないけれど、こうなったらいいな、という平和な世界や幸せな音楽の体験を実現するには、人との出会いしかないのでしょう。
当然、豊かな表現のため技術を向上する仕事は自分にしかできない。何を受け取り、作るか、湧き上がるイメージや霊感を得た自分にしか分からない。それを継続するのが芸術家の仕事です。
加えて面白いと思うのは、現れた物には作成した本人が気づかない可能性が潜んでいる場合があるということです。誰かが見つけてくれたり、思いがけない視点を教えてくれる、そんな幸運もあります。
人の頭の中のイメージは簡単に形にならない。理論や数式通りには表れない。だから続けるのかもしれません。
そして、受け取る人にいつ出会えるか、それも分からないのです。

ある部分だけ切り取られて商業的に宣伝されている芸術にも、芸術家の本質を見ることができます。素の部分を見ることができて、やっぱり凄い人だ、と感じる。受け取る側の自由もなくてはならないでしょう。

松本市美術館で開催している「草間彌生」展。10代から現在に至る彼女の作品を見て、彼女の愛をどう感じるか、人それぞれです。尊敬する牧師サッちゃん先生が「展覧会、素晴らしかったわよ!」と勧めて下さらなければ、どうしても行こうとは思わなかったかもしれないのだから、出会えるかどうかは、ほんのちょっとしたチャンスが与えられることなのです。
演奏会も同じでしょう。音楽家はとにかく続けること。出会えるまで。
posted by makkida at 10:40| あんなこと こんなこと | 更新情報をチェックする
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