2018年05月31日

ライヴの音楽

KIMG0145.JPG醤の7日目
世の中にはステキなメロディやハーモニーがいっぱい溢れています。
機械やコンピュータを使わない、生の楽器のみの音楽には、それに加えて、自然の中にあるリズム感があります。音と音の距離、または人と人の距離も、リズムのうちです。部屋の響き方や音の伝わり方も、その時のテンポやリズムに関係します。
音と音の間は直線に繋がらず、弧を描きます。上へ向かって弾かれ、頂点から自然な速さで落ちてくるのがリズムです。長く伸ばした一つの音も、ずっと同じではありません。リズムとともに膨らんだり、減衰したり、広がったり。これは自然の中にもともとあるリズムで、人間は音を発するときに毎回新たに見つけるのです。
湿度、温度も音の鳴り方に関わってきます。低気圧が近づいてきた時の身体のダルさ(実際に音が低く聴こえますし)、春の晴れた日と秋の晴れた日も少し違いますし(天の高さが違って感じられるし)、湿度が高く焼けるような溶けるような夏、乾燥した空気の硬い冬、気候が身体に及ぼす感覚は無視できません。実際に、太鼓の皮の張りが変わるので音程が違います。ガット弦も多大な影響を受けます。身体と一緒。

音は空気の振動です。それを肌で感じなければ、本来の音楽の即興性はないでしょう。
全く自由な新しくその場で作られる即興音楽(ジャズの即興も含め)でなくても、そこに集まった人のために演奏されるとき、音は当然いつも新しく生まれるもので、音楽は毎回その場で「はじめまして」です。
心がウキウキするのも、焦るのも、熱くなるのも、高揚するのも、すべて感情はリズムに結びつきます。音色は、まず感情が働き、空気の揺れ方やリズムとともに作られます。だから、音楽は直接に人へ伝わるのです。

musicの語源は古代ギリシャの音楽の女神ムーサが司る領域ムーシケーから来るものだと言います。古代ギリシャ時代には詩や劇が創造されましたが、それらは、都市国家ポリス共同体において、語り手(演じる人)と聴く人が同じ空間に存在する、つまりライヴパフォーマンスが前提でした。文字にされて広まったのではなくて、人々の前で演じられ(毎回、即興を加えたでしょう)、それを別の人が書き留めて後世に残っているのです。
語りには抑揚があり、言葉の持つリズムがあります。音程を伴うと歌になります。古い音楽は言葉を喋る音楽と言いますが、それは当然だったわけです。

今、音楽をするときにも、このような根源的なものを大事にしたいと思っています。
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