2018年10月15日

楽器を弾くことだけじゃない〜(続)ヴィットリオ・ギエルミ氏のレッスン記録

前回は「響き」について、私の考えに織り交ぜる形で書きました。ここではレッスン風景をカメラマンが撮った写真を紹介しながら、思い出せることを記録しておきます。
具体的な話の内容(これはこう弾く、とか)ということより、もちろん歴史や楽器の興味深い話はあるけれども、彼の思考回路を追うことや伝わるエネルギーが印象に残ります。単に私の理解力不足かもしれませんが。
学生に合わせてバスパートを弾いてくれるのですが、俄然、音楽が動き出す!こんなに弾きやすくなっちゃったら勘違いしちゃうんじゃ???なんて・・・(笑)!D-Durのガンバソナタ冒頭のバスパートの優雅な歩み、なんて美しい響き!羨ましすぎるぞ、T君。
20180923_09のs.jpg
速いテンポの楽章で、細かいパッセージをどのように喋るか。手先だけで弓を少なく動かしていた学生に。
「自分が東京の地下鉄に乗っているときに、解らない日本語が『○△☆×◎*・・・』と聴こえた。君が弾くのはまるでそんなように聴こえる。」何を言ってるのかわかるように、抑揚のある喋り方を。
手先を動かすと、上腕も自然に動く。腕全体が繋がりを持って動く。
弓の毛と弦とのコンタクトがいつも大事だ。
20180923_10のS.jpg20180923_11のS.jpg
その音は硬くぶつかるのではなく、「ヴンッ」と弾む。立ち上がってジェスチャーを交えながら話は次々に発展し進む。
20180923_14のS.jpg20180923_13のS.jpg20180923_12のS.jpg
弓を大きく動かすときは、準備もそれに応じて必要になる。
大きくジャンプするみたいに。ジャンプの前にかがむでしょう。
20180923_15のS.jpg20180923_16のS.jpg
身体の動かし方がダンサーみたいだ!

コンクールを受けるという学生に。
「音楽は音で表現するもので、演奏するときに顔の表情を大げさにするのは好きじゃないが、見た目も聴く人には演奏者の印象の一部。楽しい曲想なら楽しそうな表情の方がいいと思うよ。」
そうやって話すヴィットリオの表情は豊かだ。もともと目鼻立ちがくっきりしている人が表情を少し変えても(目を大きくしたり、眉毛をあげたりするだけでも)、変化が分かる。こういう人が「顔で演奏するわけじゃない」と言っても、無表情には決してならない!奏者の内側から出てくるものは自然とあるはずだ。
コメディアデラルテの中のそれぞれの登場人物の性格が明快であるように、曲それぞれダンスやいろんな楽章、フレーズが持つ性格や表情がある。
20180923_18のS.jpg
20180923_28のS.jpg20180923_29のコピー.jpg
「ヨガはいいよ。」「以前、一週間ヨガを教えてもらうことがあり、身体全体のつながりが感じられて素晴らしい体験だった。」
深い呼吸が感じられるのはこういうことだったのですね。
20180923_08のS.jpg20180923_07のS.jpg
20180923_32のS.jpg
バッハの組曲などチェロの曲を持ってきた学生に。「チェロの曲もいいけど、ガンバを弾くんだからまずガンバのレパートリーをたくさんやったほうがいいよ。教えるけどね」
1つのものからどんどん発想が生まれるように、彼の頭の中でいろいろな事が結びつき、身体が有機的に動いているようだ。夢中になる集中力がすごい。
20180923_27のS.jpg20180923_30のS.jpg
最後にいい表情が撮れました。
20180923_34のS.jpg
photos by Shinichi Kida
これらの写真の使用についてはギエルミ氏本人に承諾を頂いています。
posted by makkida at 16:48| 2018年ヨーロッパ旅 Europe2018 | 更新情報をチェックする
当サイトの写真の無断転載・無断使用はご遠慮ください。