
2019年春の無伴奏チェロリサイタル「ガット弦の魅力〜無伴奏チェロ作品の変遷 その1」のお知らせです。
「無伴奏チェロ作品の変遷」と題してはじめる新しいリサイタルシリーズでは、ガット弦を張ったバロックと現代のチェロ、バロック、クラシカル、モダン弓を使い、J.S.バッハから、19世紀に活躍したチェロ奏者たちの作品、そして20世紀のコダーイの名曲をお届けします。
今回のプログラムは楽器と弓の組み合わせによって、バロック音楽、19世紀の音楽、20世紀のコダーイの3つの部分に分かれます。
今やバロック音楽をピリオド奏法で演奏するのは当たり前のことになりましたが、フランス革命以降の、音楽や楽器の変化が著しい19世紀の音楽については、世界的にみてもまだ十分な取り組みがなされているとはいえません。今回取り上げる19世紀の作品は、優れた演奏技術を持つチェロ奏者たちによるものです。彼らは交流のあった同時代の大作曲家たちに刺激を与え、チェロの名曲が生まれるきっかけを作りました。ベートーヴェンの初期のソナタを初演したデュポール、ショパンと親しかったフランショーム、セルヴェ、ポッパーなど、今もチェロ専攻の学生たちが練習に励むカプリスや練習曲を、今回はガット弦を使い、エンドピン無しで弾く、という当時のスタイルで演奏することを試みたいと思います(セルヴェは大きなサイズのストラディヴァリウスを弾くためにエンドピンを使いましたが、それはごく例外的なことだったようです)。
そして20世紀に入ると、1915年にハンガリーのコダーイが独創的でスケールの大きなチェロソナタを発表します。一台のチェロとは思えないほどの音の広がりを持つ作品で、かなりの超絶技巧が要求されますが、当時はまだまだガット弦の使用が一般的でした。超絶技巧はスチール弦で弾く方が楽ですが、ガット弦で弾いてみると、ガット弦独特の音域による均一性を求めない、そしてたくさんの倍音成分を持つ性質が、この作品の魅力を際立たせるように感じられます。
自然界の木や波、風などの音のように、抑揚、陰影、音色、表情の奥行きがあり、凹凸のある表現が可能なガット弦で、無伴奏チェロの豊かな世界を楽しんでいただけたら幸いです。

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無伴奏チェロリサイタル「ガット弦の魅力〜無伴奏チェロ作品の変遷 その1」
Makiko Tomita Solo Cello Recital 2019 “Gut Feeling!” Baroque and modern cellos played with gut strings.
2019年4月2日(火)
近江楽堂(初台・東京オペラシティ3階)
7:00pm開演(6:30開場)
【プログラム】*プログラム詳細記事はこちら
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番
G.M.ダッラーバコ、C.グラツィアーニ、A.フランショーム、 F.セルヴェのカプリス
L.P.デュポール、D.ポッパーの練習曲
Z.コダーイ:無伴奏チェロソナタ 作品8
【料金】一般前売4000円[当日4500円]
【ご予約・お問合せ】アレグロミュージック☎ ︎03−5216−7131
✨昼間の60分公演もあります!✨
3:00pm開演(2:45開場)
【プログラム】*プログラム詳細はこちら
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番
G.M.ダッラーバコ、C.グラツィアーニ、F.セルヴェのカプリス
Z.コダーイ:無伴奏チェロソナタより第1楽章
【料金】高校生以上2000円/小中学生1000円 *未就学児無料
【ご予約・お問合せ】ベアータ☎︎ 03−6317−8916
*昼の部はチケットはございません。お電話(ベアータ)やメール(MA企画宛)にてご予約ください。
全体のお問合わせはMA(エムエー)企画へお願いいたします!ご予約も承ります!
📩 kikaku_ma☆yahoo.co.jp (☆を@にタイプし直してください)
💡チラシはこちらからご覧いただけますmaki-190402recital.pdf