2019年07月28日

自然な自分の呼吸と。基本的なこと

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自分の身体は弾き方を知っている。
身体が分かっている弾き方を、その作品のテンポやリズムの流れに乗って、または音量や音質のバランスに合わせて弾けるようにするのが、練習。頭で弾き方を制御したり、作ったりすると、余計な緊張が加わると思う。音楽に合わない緊張は不自然。

弾けるようにするには、音楽(作品)の持つキャラクターやリズムのまま、ゆっくりテンポを落として自分のテクニックを見ていく。
ロングトーンの弓の動き、弾き出すときの発音、弓のスピード、曲線(スラー)の描き方、様々な種類の弓遣い(ボーイング)音の種類、指の押さえ方、音階、ポジションチェンジ、チェンジで右手に影響が出ないか・・・結局は基本が大事。毎回、基礎となる事柄に立ち返って磨いていく。

音の響きの仕組みを知っていることも基本の姿勢の一つ。
和音はバスから高い方へ音が重なっていく。土台がぐらついていては家も安全ではないのと同じで、安定した響きは低音が豊かに(音が小さくても)そのキャパシティの呼吸で鳴っていること。
高い音というのは小鳥の高い声のように遠くまでよく届くもの。逆にいうと、低音の発音は鈍く、柔らかく聴こえるもの。だから、同じフォルテの音量を出したときに、低音の方が弱く聞こえてしまう(あるいは物足りなく感じる)。
ボリュームよりも音質を考えることが大切。
楽器の持っている能力(キャパシティ)を存分に引き出すために、弾き手の自分が楽器を制御するのではなく、楽器の声(呼吸)を聴いていく、つまり、どのように音を出したいのか楽器を鳴り方を感じながら対話していく。これも基本だと思う。

そして、作曲家の語法を知ること。言語が持つリズムや重さ軽さ、アクセントのつき方、抑揚。言葉がついている歌のように弾けるといい。

いい歌手のように、まるでふだん話しているようにリラックスして、自然な呼吸で弾き出せたらいい。
歌うため、弾くための特別な呼吸ではなくて。今から弾く音楽、次に弾くフレーズやリズムに合った呼吸で。
音楽そのものが持っている自然な流れに合った呼吸と体の動きで、どんな難しい技巧を要する音形も弾けるようになれば、本番での失敗も恐れなくなるのではないかな。

いい音楽をするために地道なことを一生続ける、音楽家の生活なんて地味なものだ。
posted by makkida at 18:25| 楽器演奏と身体 | 更新情報をチェックする
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