2019年08月28日

リサイタル”ガット弦の魅力”無伴奏チェロ作品の変遷 その2 多様な音の世界

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ドーム型の近江楽堂の特別な音響のなかで、ガット弦を張ったバロックと現代のチェロを用いて多様な音の世界をお届けする、東京での無伴奏リサイタル第2回のお知らせです。
リサイタルによせて。

ガット弦を張ったチェロで弾く、オーガニック(有機的)な音楽

バロックとモダンのスタイルに調整し、ガット(羊腸)弦を張った2台のチェロと、バロック、クラシカル、モダンの弓(ボウ)を使い分け、様々な時代の無伴奏作品をご紹介するリサイタルシリーズ、第2回もまた――J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲から現代の作曲家の新作(委嘱作品)まで――多彩な音楽を取り上げます。

クラシカルボウで弾く1800年前後の作品に、前回はデュポール兄弟の兄ジャン・ピエールを選びましたが、今回は弟ジャン・ルイの作品を演奏します。チェロの名手であったデュポール兄弟との出会いによりベートーヴェンは最初の2つのチェロソナタを書きました。私のライフワークの一つであるベートーヴェンのチェロとピアノのデュオ作品を探求するうえで、デュポール兄弟の存在は欠かせません。いつの時代も作曲家と演奏家が互いに影響を与え合うなかから、新しい芸術が誕生するのだと思います。

今回、新曲を委嘱したパブロ・エスカンデ氏は、アルゼンチン出身の作曲家・鍵盤楽器奏者で、オランダに学び、現在は京都を拠点に活動しています。バロック音楽に精通するエスカンデ氏は、自身の音楽をネオ・バロックと位置づけ、アルゼンチン独特のリズムや音楽語法をベースにしながらも、舞曲や対位法、修辞法、明解な対比などバロック的な要素を取り入れ、知的な遊びのような魅力的な作品を発表しています。表情豊かで柔らかな音色のガット弦のために彼がどんな作品を書いてくれるのか、とても楽しみにしています。

一般的なスチール弦に対し、天然素材であるガット弦は、倍音成分を多く含み、自然界の音のように抑揚や陰影に奥行きがあり、凹凸のある表現が可能です。近代以降、音楽はより大きな音と均一性を求めて発展しましたが、現代の私たちが必要としているのは、有機的なもの、生命あるものに触れることではないでしょうか。

ガット弦のチェロで無伴奏作品を演奏することは瞑想に通じます。身体と楽器と作品のつながりに集中していくことで、おなかの底=肚から共鳴し、より深い理解へと向かっていく。弦の羊腸、弓の馬尾毛(ばす)、そして木。生命あるものから生まれた楽器は、強引に鳴らされるのを嫌います。楽器と共に呼吸することで、音楽に新たな息吹を与え、それをみなさまと分かち合うことができたらこれ以上の喜びはありません。

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2020年4月22日(水)19時開演[18:30開場]
チェロリサイタル”ガット弦の魅力”
無伴奏チェロ作品の変遷 その2 多様な音の世界
〜バロックと現代のチェロを使って

【場所】近江楽堂(東京オペラシティ3階)

【プログラム】
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008
G.M.ダッラーバコ、J.L.デュポールの作品
J.シベリウス:チェロのための主題と変奏 (1887)
J.タヴェナー:哀歌 (1990)
P.エスカンデ:委嘱作品 (世界初演)
【料金】一般前売¥4000[当日¥4500]/ 学生¥2500 好評発売中!✨学生券はアレグロミュージック またはMA企画で取り扱っております。
【チケット取扱い】 03−5353−9999 東京オペラシティチケットセンター
【ご予約・お問合せ】03−5216−7131 ︎アレグロミュージック(平日10:00–18:00)


💡午後3時から1時間(休憩なし)の昼公演もあります。トークつき。
小さなお子さんもご一緒にどうぞ!
15:00開演[14:45開場]
【プログラム】
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008、J.シベリウス:チェロのための主題と変奏 (1887) 、P.エスカンデ:委嘱作品 (世界初演)
【料金】一般¥2000 未就学児無料 ご予約受付中!✨
【ご予約・お問合せ】☎︎03−6317−8916 ベアータ
✨小さなお子さんが大人と一緒に静かに聴くことが出来るかどうか、ご同伴の方がご判断の上、お越しください。もちろん、途中で我慢ができなくなったら、曲の間やトークの間で出入りをしていただいて構いません。他の大人のお客さま、ご理解いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

【ご予約・総合お問合せ】MA企画 kikaku_ma☆yahoo.co.jp(恐れ入りますが☆を@にタイプし直してください)メールでのお問い合わせは前日まで

💡チラシはこちらからご覧いただけますmaki-200422recital.pdf
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Wed, 22 April 2020 at 7:00pm
Cello Solo Recital “Gut Feeling!” 2020 ~Baroque and modern cellos played with gut strings~
at Oumi Gakudo
, Tokyo Opera City, 3F
[program]
J.S.Bach (1685-1750): Suite for Solo Cello No.2 in D minor BWV 1008
Pieces by G.M.Dall’Abaco (1710-1805), J.L.Duport (1749-1819)
Jean Sibelius (1865-1957): Theme and variations for solo cello (1887)
John Tavener (1944-2013): Thrinos (1990)
Pablo Escande (1971- ): Commissioned piece (world premiere)
[Ticket] Advance ¥4000 / Doors ¥4500 / Student ¥2500
Click here for the flyer maki-200422recital.pdf
Matinée Concert at 3:00
Babies, children and adults of all ages welcome!
[Fees] ¥2000 under age 6: free
[Info & Reservation] MA-kikaku 📩kikaku_ma@yahoo.co.jp
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