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綺麗な湧き水はおいしいだけでなく、肌に優しく、驚くべき洗浄力もある。都会の水は薬品で消毒されているけれど、生命力があるのはどちらだろう。

チェロの弓を持つ時に、右手の親指の負担は誰にとっても問題になるだろうと思います。
ヴァイオリンの場合、弦の上に弓が乗る形になる一方で、チェロの場合は、弦に当てた弓は、右手で持っていないと落ちてしまう。
弦に引っかかってくれるのは弓の毛であり、弦の当たりや弓の毛の引っ掛かりを感じるには、うまく脱力できていないといけない。もし、手(指)の力で弓をつかんでしまうと、弦と弓の毛の当たりを繊細に感じ取ることが難しい。
弓を持つけれど、力では「持たない」。

まず椅子に座った時に、両方のお尻(座骨)がうまく乗って、腰や背中が反って緊張することもなく、ぐにゃっと折れ曲がることもなく、体幹の支えがあること。腰が前後左右、円を楽に描け、胸(肋骨)もみぞおちも首も楽に揺らすことができること。
両手は楽にぶら下がり、腕そのものの重さを感じる。両足を股関節を緊張することなく無理なく広げ、両足裏が地面についているのを感じる。つま先をついて踵を上げたり、踵をついてつま先を上げたり、つま先をついて膝を揺らしたり足首を回したり。
座り方を観察してから、チェロと弓を持つ。

弓を持つ手は、自分側に親指、駒がわに他の4本の指、ふわっと持つ(イメージ)。何か丸く太いものを持つように掌を丸く広げる。
細かい動きを指を使って行う時に、指だけ動くことを考えてしまう。もちろん、ロングトーンや力強いアタックは大きな部分、腕全体を使う。
80グラムぐらいある弓を扱うのは結構力仕事でもある。指だけで仕事をしていては、痛くなるのも当然。つい、指を強める訓練など考えるだろう。その訓練で指を痛める皮肉も・・・。
フェルデンクライス(ハーモニー体操と称して)の指導者からアドヴァイスを受けたこと。親指を動かす時に他の部分も連動するのを止めずによく観察してみる。手首、腕の回転、角度、自然についてくる動きがある。
そこで改めて思い出すのは、指先の細かい動きは腕の付け根(肩甲骨)から関わってくるということ。「いや、それだと細やかな動きにならない」と思うかもしれない。だが、弓先の返しを柔らかく行うときに、腕の付け根から動かす(意識する)と自然とスムーズに行く。あちこちの動きがうまく連動できるときは、身体に無駄な力が入っていない状態。反応も早いし、繊細に感じることも、腕の重さを生かすことも可能。指先だけ動かすと、かえって大きな動きになることにも気づく。

疲れてくると、まず体幹が崩れ、両手を支えられなくなるので、身体の部分がバラバラになって連動がうまくいかなくなり、結果、部分を痛めてしまう。
気持ちいい身体の状態を覚えておき、思い出すように脳を使えればいいのかもしれない。深い呼吸も大事だろう。

17、18、19世紀の絵画や写真でチェロ奏者の弓の持ち方を見ると、指の位置を固定して持っているようには見えない。18世紀半ばまでの絵で、チェロ奏者がアンダーグリップ(現在の多くのコントラバス奏者のように)で弓を持っている場合もある。
写真ではポーズを取っているときに脱力しているからかもしれないが。絵画の場合は、演奏している人を見て絵描きが描くから、より確かかもしれない。

18世紀前後に活躍したフランス出身のチェロ奏者デュポール兄弟、そのテクニックの影響を受け継いだ19世紀のベルギー出身でフランスで活躍したオーギュスト・フランショームは、右手のボーイング(bowing)のテクニックの種類が豊富で、ヴァイオリン奏者と同じように弾けたという。例えば、弓先でのデタッシェ(音と音を繋げずに弓を返して音を離す。弓を止める必要があるが、決して力を入れて止めない。力で止めると響きがなくなってしまう)はヴァイオリンの効果的で素敵なテクニックの一つだが、19世紀フランショームの周りのチェロ奏者の間では、太いガット弦(特に低い弦)で弓の毛が弦を噛むことは難しく音がかすれてしまうので、弓の真ん中か4分の3位の位置でデタッシェをするものとされていた。でも、フランショームは弓先で、デタッシェもスラーを含む様々なボーイングも得意であった。
そこで問題となるのは、どんな音で弾いていただろうか、ということ。
音は残っていないから想像するほかない。
20世紀はじめの弦楽器奏者たちの音源が手がかりになるかもしれない。
音源に残された「はっきり」「明瞭な」音を、現代のスチール弦と同じ音質で捉えていいものか。確かに素晴らしいテクニックが想像できるけれども、音量に関しては当てにならない。
16、17世紀のバロックから古典派を経て19世紀の演奏を考えたときに、一つ一つの音が響きを持って放たれるイメージが聴こえてくる。舞台で俳優が一言一言明瞭に発音するように。それは大声でなくても届くはずだ。

痛みがなくて身体が軽やかに動くときは色々考えなくても弾けてしまうものです。痛みが出たときや、身体が固まってきたとき、いい音が出せないときなど問題が生じるときに色々考えます。正解はなく、アイデアをできるようになるには時間がかかります。
これからも時間をかけて試行錯誤を楽しもうと思います。

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