2020年02月18日

話すように

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まだ空気は冷たいけど、「あ、春になった」と感じる朝があった。

言葉(歌詞)がある音楽に取り組んでいると、抑揚がわかってくる。
それは、楽譜に書かれている音の高さや音価だけでなく、言葉の持つ音程や強弱、リズム、質量、調子。

バルトークなど、ハンガリーの音楽では、器楽のための作品においても、Parlando rubatoはひとつの性格である。「喋るように、自由なテンポで」とはどういうことか?ハンガリー民謡の節回し、ハンガリー語の抑揚、リズムなどの具体的なイメージがなくては弾くことができない。

バロックは言葉を喋る音楽。
バロック弓を使って、文節のリズムや抑揚で明確に発音する、まるで話しているように。
意識して練習を続け、色々と試し、わかったと思っても本番で失敗し、それを繰り返し、繰り返し・・・。少しずつ、少しずつ、身体で納得していく。これで完成という形はない。とにかく自分でわかるようになるかどうか、だけ。

バッハのヨハネ受難曲を勉強しているうちに、無伴奏組曲の弾き方に突然、手応えが出てきた。
特に、ヨハネ福音書は冒頭にあるように、「はじめに言葉があった」というくらいだから、言葉の大切さが直接感じられるのかもしれない。

バッハを弾くことを仕事にできるのは幸せだ。
喋り方を、ずっと考え続け、ずっと弾き続けることに尽きる。
バッハでは、コンクールで賞を獲らなくても資格がなくても有名な先生に習わなくてもお墨付きがなくても、いい音楽をすることができる。他にもそういう音楽はあるだろうけど、これは確かなことだと思う。

posted by makkida at 23:18| あんなこと こんなこと | 更新情報をチェックする
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