護岸工事をしていなければ、きっと川は大水や台風のたびに形を変えて行くのだろうな。
Abbado指揮するベルリンフィルでブラームスのドイツレクイエムの動画をたまたま見つけた。ウィーンの楽友協会での演奏。あのキラキラと音が降り注ぐような装飾の建物で、真剣な演奏者一人一人の姿と聴衆の熱い感動が伝わってくる。
アバド&BPO。ちょうどオーケストラに比較的(私の中での比較的)こだわりを持っていた(笑)大学生の頃、この組み合わせは憧れでもあった。団員の体ががっしり大きくて、各プレイヤーのプライドがあって(個人の意見が強くありそうで)技術も最高峰のベルリンフィルに対する、アバドのソフトで丁寧な音楽つくりが魅力的だった。音楽の真髄や、真の芸術によって体感できるものに、この人は導かれて演奏しているように感じた。ふわっと、流れに身を委ね、動かされているような。
ブラームスの音楽というのは、たまに聴くと、ものすごく懐かしい憧れみたいな熱い想いがお腹の底から湧き上がってくるものだ。
音楽は生でなければ、と思いは変わらないけど、こういう映像が残っているのは、やはりいい。
流行りのスタイルや演奏の傾向は時代の移り変わりとともにあるのだろうけど、そのときの最高の演奏は二度と起こり得ない真実で、それとの出会いや印象というのは変わらない。