この音階のコーナーでは、様々な音階の練習を挙げていきます。2回目からは速い動きです。
[2]4オクターヴ音階
@スラー
四分音符で4つずつスラーをつけて、滑らかに。
8つスラー・・・2往復でボーイングが戻る。
16つスラー・・・4往復でボーイング戻る。
最後は下から上まで一つのスラー、逆も同様、上から下まで一つのスラー。移弦やポジションチェンジを滑らかに。
💡指遣いについて
最も一般的(容易に考えられる)指遣いは、低音ではなるべく1ポジションと開放弦を使い、A線の4ポジション以降(親指のポジション)で1-2の連続に、最高音には1-2-3で達する方法です。高いポジションでの1-2の連続は簡単ですが、ポジションチェンジが多くなります。
ここに挙げた指遣いは、開始から3つ目の音を1の指にすることによって、開放弦を使わず1-2-4(1-3-4)、A線の親指のポジションでは(4を使わない時に)1-2-3の連続で上がれて、下りは3-2-1で帰ってこられます。どの調性でも、3つ目の音を1の指にすれば応用がききます。
そのほかに、2-3の指遣いの連続も考えられます。この指遣いでは、手(指)の角度が弦に対して斜めになり、軽く滑らすように動かすことが可能です。
18世紀後半、イタリアのチェロ奏者Lanzettiが書いた「原則と応用」に、低いポジションでこの指遣いが頻繁に示されています。
後期バロックから古典派の技巧的作品における、(比較的細かい音価の)音階のパッセージで使われたと思われます。
1-2-3-4の指遣いはバロック時代から引き続き使われています。
いずれにしても、指や手を、腕や肩の動きと連動させて、柔軟に動かす必要があります。18世紀の絵画の中で、弦楽器の演奏家の手はとても柔らかく描かれています。手の形を横から固めてしまうと、この指遣いは難しく、使う意味がありません。
次回はデタッシェでの音階練習です。