2020年12月28日

デュオレッスン第1回 レポート

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1ヶ月経ってしまいましたが、11月末に行ったデュオレッスンの報告です。

オルガン奏者3名、チェロ奏者1名。
オルガンの受講曲は、
J.S.Bach:Pastorella BWV590 -3rd movement c-moll
J.S.Bach:Fuga g-moll BWV578
Oskar Wermann: Sonata für Violoncello und Orgel Op.58 -Andante
Saint=Saens: Prière
チェロの受講曲は、
J.B. de Boismortier: Sonata in D major -1st movement from 6 Sonatas for 2 bassons, Op.14

みなさん、ただのレッスンでも緊張されるのに、私と一緒に弾くことでさらに緊張した面持ち。受講者の弾けるテンポで、とにかく一緒に音を出し、ゆっくり、その方のペースに合わせて進めました。

パストレッラの3楽章は、チェロがソプラノの旋律パートを受け持ち、オルガンは8分音符の和音の伴奏パート。
和声(それぞれの和音の性格や機能、方向性)を意識し、音の長さ、和音のハモり(音の重なり、響き方)を味わうことを、和音のパートのみで確認。
旋律と一緒にどのように進むか、呼吸の取り方を、バスパートとチェロパートのみで弾く。慣れてきたら、和音で一緒に弾く。
試行錯誤しながら、迷いや疑問を明らかにし、どのように感じるか、少しずつ確かめて行きました。だんだんお顔が晴れやかになり、嬉しそうに弾いてらっしゃいました。

有名な「小フーガト短調」。オルガンを学ぶ方なら、きっと弾きたい曲ですよね。発表会で弾くときには、おそらく、フーガ(対位法)特有の各声部の独立性はどこかへ行って、最後までたどり着くことで精一杯になってしまうでしょう。
1パートを他の楽器に弾いてもらい、オルガン奏者も声部を1つずつ(ソプラノ、アルト、テナー、バスもしくは足鍵盤)弾いて合わせる練習は、聴く余裕が生まれます。どなたもそれぞれ苦手なパートがあるでしょう。時間がかかりますが、少しずつ慣れるしかない。対位法では、丁寧に1パートずつ練習して、よく聴き、身体に覚えさせることが大切です。それぞれが別の人が弾いているかのように。こんな動きをしていたのか、と発見があるでしょう。

チェロとオルガンのためのロマン派の音楽は、オルガンの種類によって合う合わないがありますが、演奏者に様々な音楽(様式だけでなく、楽器、編成)の具体的なイメージがあると、タッチや音色を工夫して弾くことが可能になります。
鍵盤楽器奏者は鍵盤のために書かれた作品が多いので、限られたその分野しか知らない人が多いようです。鍵盤楽器でオーケストラの曲を編曲して弾くこともあるのに、オーケストラの曲を知らないと、響きや音色の幅が広がらないでしょう。様々な楽器の特性を知るには、他の楽器とのアンサンブルが近道です。楽器によってそれぞれ、発音、音色、音域、得意な動きを持っています。それを鍵盤曲に生かすことは、面白いと思いませんか?
相手の楽器の身になって想像して音を一緒に出す。他の楽器とアンサンブルすることは、やはりコミュニケーションですね。

チェロ2台で弾ける曲は、バロックから古典派までに数多くあります。片方が技巧的なパート、もう一方が伴奏パート、という形。それから、旋律と伴奏や対旋律など、役割を交替しながら進む形もあります。
使う音域が同じ場合も、音域が離れる場合も、音量のバランスだけでなく、空間での位置を認識すると、より聴き(弾き)やすくなります。どういうことかというと、例えば、舞台でオペラや演劇をするとき、登場人物の立ち位置は、左右、前後、上下、様々ですよね。そのような距離感をイメージして二人の響きを作って行くのです。音域通りのときもあるし、聴こえたい旋律が伴奏形より低い音の場合もあります。弾きながら、なんだか聴きづらい、弾きづらい、よくわからないな、というときには、このような問題の場合もあります。試しながら音楽を作って行くのは、楽しい作業です。

チェロだけでなく他の弦楽器奏者の受講もお待ちしています。
オルガン奏者のために、バッハのOrgelbüchleinなどをアンサンブルレッスンする企画もいいですね。「デュオレッスンの日」次回開催は決まり次第お知らせします。デュオレッスンはいつでもお受けします(東京、長野、京都)。
耳をすまして楽器の音を引き出す、アンサンブルについてはこちらに記事がありますのでご覧ください。

アンサンブルの曲を知らない方も、どんなレッスン内容かイメージがつかなかった方、感染症流行の中、申し込みに二の足を踏む方もいらっしゃったでしょう。早くパンデミックが終息するよう祈るばかりです。
自由な行動や活動ができる日常が来るまで、どうぞ皆さん、お身体にお気をつけて、それぞれのペースでお過ごしください!
posted by makkida at 11:03| レッスン・ワークショップ | 更新情報をチェックする
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