2021年01月18日

あらためて、伝えるということ

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同じ土地(地域)で生まれ育った(あるいは長年住んだ)人たちの間では、きっと言わなくても意思疎通できる部分があるのだろうと思います。少ない反応で、例えば、言葉を発しなくても、笑顔はなくても、近寄ってくるならば、受け入れていることを意味している、とか。
演奏している時の反応だけでなく、普段の付き合いから、たびたび感じるのです。
反応の仕方、というのは人それぞれで、おとなしく控えめな人もいるし、感情を豊かに表す人もいるし、言葉を上手に組み立てて論理的に表す人もいる。それはそれで、反応なわけです。
何を考えているか、好きなのか好きじゃないのか、分からない。これは、もう、私が、火星を通り越して太陽系の端の何処かの惑星の宇宙人だからなのかもしれない・・・(笑)

新しい土地でゼロから始める、ということでもない。自分がどこにいても、歩みの延長だから、ゼロにはならない。
内容を理解してもらうには、肩書きではなく、口コミ、人との繋がりが大切です。続けていくことで、演奏者も聴き手も理解を深め、広がり、少しずつ関わる人が増えていく。
今まで企画し活動してきたこと−−−ガット弦を張って、バロックを始め、手探り状態で勉強しながら作ってきたコンサートを、お客様の多くは一緒に体験してきてくださった。留学先でバロックを始めて勉強してきたならともかく、モダンでずっと活動して、途中で急に日本の音楽界には「いない人」になり、自分にとっては道のない道を歩んできたつもりです。古い文献や楽譜から学び演奏に結びつける研究は、ヨーロッパだけでなく世界中で活発に日々更新されています。日本の隅っこで一人でやっていても、遅々として進まず。とにかく、手に入るものから学び、自分の感覚を鋭くして、いろいろな人の演奏や発言を参考にしつつ、それは一体どういうことなのか考えながら、身体で納得したことだけを演奏しています。より深い理解−−過去の音楽家の精神に出会い、魂が頷く音を出したい、そういう音楽を求めています。

辿れば辿るほど「分からない」ことがずるずると出てきます。
ソルミゼーションとは何か、誰の説明を聞いても、「こういうものだ」という説明しかないので、なかなか理解できない(これは実際に歌って使わないと意味がないですからね。)音階とは何か?音階は7音から成っているのは、一週間が7日からできているのと同じくらい、しっくりくるようで、不思議でもあります。8つ目に同じ音(曜日)が回ってくる・・・。
人間が作った決まりだけれど、宇宙の動きとピッタリ合っている・・・。

決まりごとは言語の文法のようなもので、各時代の音楽語法だと思います。遠く離れた時と場所を理解するのは並大抵のことではありません。演奏習慣は机上の勉強ではなく、身体で覚えるものです。音には性格や特徴、役割があり、公式のようなものを勉強しながら、それぞれの音楽を実践として、生きた音楽として演奏するのはスリリングです!ちょっとバランス崩しても始まったら終わりまで止まることができない。
演奏活動は一生終わりのない勉強です。

楽器や演奏法を自分の音楽の方向性の中で結びつけて話すこと。少しずつわかってきたことをお客様に説明しながら、演奏を聴いてもらう必要性を感じます。具体的な話を人に伝えることで、自分の演奏も明確になってくるだろうと思います。アイデアも技術も。
「おはなしコンサート」の再開のために、まだ続きそうなパンデミックを堪え忍びつつ、勉強と準備をするつもりです。
独奏楽器としてのチェロの作品と演奏の変遷として、イタリアのバロックを取り上げる「イタリア!イタリア!」シリーズ。バロック以降、ベートーヴェンに繋がる18世紀後半のチェリストたち。ゆくゆくは、ベートーヴェンからシューベルト、シューマン、ブラームスなどのドイツロマン派、ヒストリカルピアノとの共演も夢見つつ、19世紀後半ロマン派のピアノとのデュオまで、やりたいことは山積み!鍵盤奏者が羨ましい、だって、一人でこの範囲の音楽を演奏できてしまうのだもの・・・。
息の合うデュオを一緒に実現できそうだったピアニストは、残念ながらドイツへ移住・・・多くの変化が起こりますが、辛抱です。
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posted by makkida at 23:13| あんなこと こんなこと | 更新情報をチェックする
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