2021年02月12日

無伴奏チェロ作品の変遷 その2

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ガット弦を張ったチェロで弾く、オーガニック(有機的)な音楽

バロックとモダンのスタイルに調整し、プレーンガット(羊腸)弦を張った 2 台のチェロと、バロック、クラ シカル、モダンの弓を使い分け、様々な時代の無伴奏作品をご紹介するリサイタルシリーズ、第2回もまた――J.S. バッハの無伴奏チェロ組曲から現代の作曲家の新作(委嘱作品)まで――多彩な音楽を取り上げます。

クラシカルボウで弾く 1800 年前後の作品に、前回はデュポール兄弟の兄ジャン・ピエールを選びましたが、今 回は弟ジャン・ルイの作品を演奏します。チェロの名手であったデュポール兄弟との出会いによりベートーヴェン は最初の 2 つのチェロソナタを書きました。私のライフワークの一つであるベートーヴェンのチェロとピアノの デュオ作品を探求するうえで、デュポール兄弟の存在は欠かせません。いつの時代も作曲家と演奏家が互いに影響 を与え合うなかから、新しい芸術が誕生するのだと思います。

今回、新曲を委嘱したパブロ・エスカンデ氏は、アルゼンチン出身の作曲家・鍵盤楽器奏者で、オランダに学び、 現在は京都を拠点に活動しています。バロック音楽に精通するエスカンデ氏は、自身の音楽をネオ・バロックと位 置づけ、アルゼンチン独特のリズムや音楽語法をベースにしながらも、舞曲や対位法、修辞法、明解な対比などバ ロック的な要素を取り入れ、知的な遊びのような魅力的な作品を発表しています。昨年出来上がった新曲「白い馬 のフィドル」はスコルダトゥーラ(変則調弦)を使います。想像力を掻き立てる作品をどうぞお楽しみに!

一般的なスチール弦に対し、天然素材であるガット弦は、倍音成分を多く含み、自然界の音のように抑揚や陰影 に奥行きがあり、凹凸のある表現が可能です。近代以降、音楽はより大きな音と均一性を求めて発展しましたが、 現代の私たちが必要としているのは、有機的なもの、生命あるものに触れることではないでしょうか。

ガット弦のチェロで無伴奏作品を演奏することは瞑想に通じます。身体と楽器と作品のつながりに集中していく ことで、おなかの底=肚から共鳴し、より深い理解へと向かっていく。弦の羊腸、弓の馬尾毛、そして木。生命あ るものから生まれた楽器は、強引に鳴らされるのを嫌います。楽器と共に呼吸することで、音楽に新たな息吹を与 え、それをみなさまと分かち合うことができたらこれ以上の喜びはありません。

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2021年4月21日(水) 3回公演 〈昨年4月22日に予定していたコンサートの振替公演です〉
チェロリサイタル ”ガット弦の魅力”
無伴奏チェロ作品の変遷 その2 多様な音の世界
〜プレーンガット(羊腸)弦を張ったバロックと現代のチェロを使って

11:30開演(11:15開場)/14:30開演(14:15開場)/18:30開演(18:15開場)
【場所】近江楽堂(東京オペラシティ3階)
【プログラム】
[バロックチェロで1600年代後半から1800年初めまでの音楽を]
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008
G.B.ヴィターリ、G.M.ダッラーバコ、J.L.デュポールの作品
[モダンチェロで19世紀から現代までの音楽を]
J.シベリウス:チェロのための主題と変奏 (1887)
J.タヴェナー:哀歌 (1990)
P.エスカンデ:白い馬のフィドル (2020 委嘱作品・世界初演)
【料金】各回限定40席  一般前売4000円[当日4500円]/学生2500円 未就学児無料
【主催・予約・問合せ】MA企画 kikaku_ma☆yahoo.co.jp(恐れ入りますが☆を@にタイプし直してください)
【電話予約】03-6317-8916(ベアータ)
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