2021年03月25日

第2回アンサンブルレッスンリポート

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デュオ(アンサンブル)レッスン@BELUGA
は、今回はチェンバロ奏者のご参加。J.S.バッハのガンバソナタ第2番から1&2楽章でした。
音大ピアノ科をご卒業後、教えたり演奏活動をしていらっしゃる方なので、さすがに鍵盤パートのそれぞれを独立して弾くことがお出来になります。バロックチェロとのアンサンブルは初めてでしたが、バロック音楽をチェンバロやオルガンを通して熱心に学んでいらっしゃるので、バロックの視点から作品を探求することを楽しんで頂けたようでした。各声部が独立している、ということは、それぞれが自由だ、ということでもあります。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの3人で弾いている様な自由な対話、コミュニケーション。縦の音符を常に揃えるのではなく、横のラインで進む、対位法の音楽です。
その対話での喋り方が、細部にあるアーティキュレーション。弦楽器では呼吸と結びついた多種多様な弓遣い(ボーイング)、鍵盤楽器ではタッチ、各楽器の演奏技術に繋がりますね。
それから、お互いの音の重なり、響き合い。
それぞれが同じ音楽と向き合い、その世界で自由になれる面白さ。バッハはいつも発見があり学ぶことがあり、いつもいろんな問題に出会えます。

アンサンブル勉強会@松本も2回目が開かれました。
今回も全てJ.S.バッハ。楽譜を読んでいると謎解きみたいに面白い!楽譜を見ていて飽きない作曲家の一人。この様な作品を勉強する機会があるのは本当に喜びです。
オルガン小曲集から
「Jesu, meine Freude イエスよ、わが喜び」BWV 610
「Wir danken dir, Herr Jesu Christ 主イエス・キリストよ、われら汝に感謝す」BWV 623
「Jesus Christus, unser Heiland われらの救い主なるイエス・キリストは」BWV 626
シュープラー・コラール集より「Wachet auf, ruft uns die Stimme 目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」BWV 645
個別に伝えられたコラール編曲より「Nun komm, der Heiden Heiland いざ来ませ、異邦人の救い主」BWV 699
トリオ c-moll BWV 585(J.F.ファッシュのトリオ・ソナタに基づく編曲)

技術的にも音楽的にも人それぞれ(当然ですが)、過度に緊張してしまう人もいます。初めての高校生は、初めてのポジティフとチェロとのアンサンブルを素直に楽しんで、こちらのアドヴァイスに答えて(言葉で素直に反応してくれるのも嬉しい)、のびのび演奏していました。気負わない、肉体的精神的若さは気持ちいいものですね。
身体がうまく動かない方も、ゆっくりと一声部ずつ(右手、または左手)チェロと一緒に弾くと、だんだんそれぞれが聴こえてきて、両手で弾くときにも変化が見えます。
オルガンで弾くパートをチェロで弾いて、スラーや様々なリズムの音形のアーティキュレートを見て聴いて頂くと、言葉を発音するのがどういうことか、どのように抑揚ができるのか、理解しやすいようです。頭の中にイメージができて、意識するだけで演奏にも変化が生まれます。

毎回、私の伝え方の課題も明らかになり、続けることができるのは有難いことです。

あちこちで人に出会い、レッスンをして、やっと野尻に帰って来ました。すっかり春です。ゆったりした自然の中に身を置くと、フル稼働した頭が休み、身体がリラックスします。
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posted by makkida at 20:25| レッスン・ワークショップ | 更新情報をチェックする
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