2022年04月18日

終わりははじまり、いのちの源泉

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京都の美術家、木坂宏次朗氏の個展が4月24日(日)まで大津市のギャラリー2kw galleryで開催中です。ギャラリーのサイトはこちら
木坂氏が制作の源泉にしているT.S.エリオットの詩。エリオットの『四つの四重奏』の世界観から、闇と光、そして、終わりは出発の地である静止点、という同じテーマに視点を置いて制作し続けていることに敬意を表します。エリオットの詩の朗読と音楽による小さな試みのお誘いを受けました。23日に行われる予定。

4つの季節。万物を造る土、水、空気、火の四大元素。
有機的な命あるものは螺旋を描いて時間の中で動き、新しく生まれ変わっていく。それは音楽。終わりの点が初まる時に見えている。
「現実的欲望からの内的な自由、行為と苦悩からの解放、
内的な、そしてまた外的な強制からの解放、
しかも、まわりは、感覚の恩寵に、静止かつ動く白い光輝に、囲まれている」(T.S.エリオット"Four Quartets-Burnt Norton")
この文そのものを感じるヒルデガルト・フォン・ビンゲンの音楽、
「めでたしマリア、いのちの泉」。
裏切られ、軽蔑され、十字架に架けられ死ぬ運命の、その命を産んだ方。

受難週でも復活祭の礼拝でも、今の戦争に全く触れない説教の場にいて、復活とは、その喜びとは一体なんなのだ、と悲しく、晴れない情けない気持ちでいっぱいだった。ヘラクレイトスの断片「ロゴスこそ遍きものであるというのに、多くの人々は、自分独自の思慮を備えているつもりになって生きている」という言葉に・・・反省。
「はじめに言(ロゴス)があった。言は神とともにあった。・・・万物は言によって成った」
世界の終わりは世界のはじまり。古いものと新しいものが入れ替わり、人の心の中で悪が善に、より善いものに生まれ変わりますように。闇が光に気づくことができますように。
1日でも、1分でも1秒でも早く平和が訪れますように。
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