2023年02月02日

平和への祈りプロジェクト第1回終了、御礼

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東京のギャラリー古藤での「平和への祈り」無伴奏チェロコンサート、無事終了いたしました。
今回の趣旨は、芸術の本質を通して平和を祈る、という内容でご案内しましたが、たくさんのお客様にお越しいただき感謝申し上げます。
コロナ禍始まってから、11時の回が最も人気の時間のようです。

今回、言葉(詩)と音楽のつながりを意識して悩みに悩んでプログラムを組みました。が、当日のお話の中で、私の頭の中で繋がっている点をお伝えすればよかったものの、曲の紹介になってしまったのが反省です。恐らく、曲数を減らして、最も大切なことを明確にする必要があるでしょう。言葉(詩)の意味に乗って行ければ、身体で受け止めた反応を音楽でさらに広げられるだろうと感じます。
実験的なプログラムで、未熟な出来で申し訳ありませんでした。
それでも、温かな反応とご感想を頂戴でき、皆さんの想いも感じられ、胸がいっぱいになりました。遠方にお住まいでお越しいただけない方からもお励ましをいただきました。ひとつひとつ、一人一人と繋がって、仕事(音楽)が生かされ、命がつながるのですね。どうもありがとうございました。

当日のプログラムと、詩とのつながりをここで書き留めておきます。

ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:おお魂の牧者よ
Hildegard von Bingen (1098-1179): O pastor animarum
はじめに言葉ありき。この世を創造した大いなる存在、世界の牧者を地上から呼ぶ。祈り。

マルティン・ルター:詩編12篇「ああ神よ、天より見そなわし」
Martin Luther (1483-1546): Psalm 12 Ach Gott vom Himmel sieh darein
J. S. バッハ:カンタータ第2番より第6曲 コラール「この御言をば、神よ」
J.S.Bach (1685-1750): Das wollst du, Gott, bewahren rein BWV 2-6
神を蔑ろにする人、偽りを語る高慢な者が世にはびこることを嘆く。何百年前と同じ、今も尚。

J. S. バッハ:無伴奏組曲 第2番 ニ短調 BWV 1008 より プレリュード
J.S.Bach (1685-1750): Suite for cello solo in D minor BWV 1008 - Prelude

ウクライナ民謡:バンドゥリスト、私の灰青色の鷲よ
Banduryste, orle syzyi [Bandurist, my blue-grey eagle]
 (lyrics: Taras Shevchenko / Ukrainian Song)
民謡は生活に根付いている(生活の中の)音楽。信仰と同じように。

ルター:詩編130篇「深き淵より われ汝に呼ばわる、主よ」
M. Luther: Psalm 130 Aus tiefer Not schrei ich zu dir
文字通り、深い悩みの淵から、暗闇のどん底の状態から、ただあなたを呼ぶ。ひたすらに。それしかない。

ジョルジュ・リゲティ:無伴奏チェロソナタ より ディアーロゴ[対話]
György Ligeti (1923-2006): Sonata for cello solo - Dialogo (1948)
長い歴史上、ユダヤの人々が受けてきた迫害、虐殺。世界のあちこちの民族がそのような目にあっている現実。

ミコラ・リセンコ:広きドニプロの嵐
Mykola Lysenko (1842-1912): Reve ta stohne Dnipr shyrokyj [The Mighty Dnieper] (lyrics: Taras Shevchenko)
農奴出身の詩人が、制度反対に立ち上がる。言葉の力で。

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー:
  ワーニャは長椅子に座ってパイプをふかしてた
Pyotr Ilyich Tchaikovsky (1840-1893) : Vanya sat on the divan and smoked a pipe
国境は時の政権によって引かれる。国を超えて、懐かしい響きの民謡に惹かれる。ウクライナは歌の土地。

ヴァレンティン・シルヴェストロフ:1750年7月28日_J. S. B.の思い出に
Valentin Silvestrov (1937- ): 28.Juli 1750…in memoriam J. S. B. (2004)
ウクライナの80代の作曲家。言葉による情報、大きな音、音の暴力、爆音、爆撃が日常にあるとき、今、必要なのは静寂の音。

J. S. バッハ:無伴奏組曲 第4番 変ホ長調 BWV 1010 より アルマンド、クーラント、サラバンド
J.S.Bach : Suite for cello solo in E flat major BWV 1010 -Allemande, Courante, Sarabande

休憩

ヒルデガルト:いま われらに開かれたり
Hildegard von Bingen (1098-1179): Nunc aperuit nobis
女性の解放。イザヤ書60:11「あなたの城門は常に開かれ、昼も夜も閉ざされることはなく」

カタロニアのキャロル:鳥の歌
Catalan carol: El cant dels ocells
あらゆる鳥たちが救い主の誕生を祝って歌う。イエスが地上にやってくることは平和が訪れることを意味する(なのに・・・)。

ジャン・シベリウス:私には富も名声もいらない 5つのクリスマスの歌 より
Jean Sibelius (1865-1957): Jouluvirsi - En esti valtaa, loistoa, en kaipaa kultaakaan

バルトーク・ベーラ:ルーマニアのクリスマスの歌 より
Bartók Béla (1881-1945): Román kolinda-dallamok
山の野原を通って/彼らは尋ねる、全知全能の神に/
金色の雌子羊のバラード/聖歌隊の夜明けの到着/少女たちへ/
彼らは捧げ始めた、クリスマスの日に/聖母が嬰児を抱いて座っている/
さあ、讃えよう、歌おう/東方の三賢人/さあ皆で行こうよ、ベツレヘムの街に

バルトーク:花嫁を送り出す歌(ルテニアの旋律) 44の二重奏曲より
Bartók: Menyaasszonybúcsúztató from 44 Duos
コロメイカ(ウクライナの踊り)
Kolomyika
バルトーク:ルテニアのコロメイカ 44の二重奏曲より
Bartók: Rutén kolomejka from 44 Duos
生活の中の音楽。今でもウクライナの人々が結婚式などで踊る。

J. S. バッハ/コダーイ・ゾルターン:天にましますわれらの父よ
J.S. Bach / Kodály Zoltán (1882-1967): Vater Unser im Himmelreich
J. S. バッハ:ヨハネ受難曲 第5曲 「あなたの御心がなされますように」
J.S.Bach: Dein Will gescheh, Herr Gott BWV 245-5
主の祈り。地上に平和をもたらす人に向かって唾を吐き、蔑み、十字架にかけてしまう人間たち。戦争がやめられない人間。この地上に平和を作れるよう私たちをどうぞ導いてください。口先だけでなく、心の底から(本当に難しい!)祈ることができますように。

コダーイ(富田牧子編曲):孔雀は飛んだ(ハンガリー民謡を基に)
Kodály: Fölszallott a páva (based on the Hungarian folk song, arr. by Makiko Tomita)
独裁者に抗議し、見える鎖、見えない鎖に繋がれた人々の自由を求める。人権のない人々の自由を!
イザヤ書61:1「わたしを遣わして貧しい人に良い知らせを伝えさせるために。打ち砕かれた心を包み、捕らわれ人には自由を、つながれている人には解放を告知させるために。」


ヒルデガルト:慈愛は万象に満ち溢れ
Hildegard von Bingen : Caritas abundat in omnia
愛。隣人愛。隣の国の人々も。


今回は間際まで試行錯誤を続けたので、とりあえず頭を休めたい中、遅れていた先の企画の準備や、停滞していた連絡を再開し、すぐに京都に移動。雪(それはそれで大変なのですが)の信濃町の静けさに戻りたい〜、と心で泣きながら(笑)どんどん業務をこなしています。
外ではコガラ、メジロがすぐ近くを飛び回る。賀茂川のアオサギはじーっとたそがれる者、あるいは餌を待っているのか人とお見合いしている者。カラスに追われるセキレイ、仲間が近くを飛んでうまくカラスをかわす。トンビを警戒するカラス。せっせと冷たい水に頭を突っ込む鴨たち。それぞれの生活は賑やか。

posted by makkida at 13:42| 音楽による平和への祈り | 更新情報をチェックする
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