
春の訪れを感じるこの頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
年明けの大きな地震から時間が経過しましたが、被災された方々のことを思うと心痛みます。そして世界のあちこちで止まない戦争。地球のどこにいても、どうか無事で、心身が自由になりますように。音楽が心を癒し、生きる希望となりますように。
いつも私の活動をお励ましくださってありがとうございます。
4月20日にソロリサイタルを開催いたします。近江楽堂が使えなくなった今、久しぶりに同仁キリスト教会に戻ります。
コロナ禍の間の静まりから活気が戻ったように見える東京で、1月と2月にバロックを専門とする演奏家と小さなコンサートをしました。ヴァイオリンの廣海史帆さんとJ.S.バッハの鍵盤作品をメインに、フーガなど対位法の音楽、それからコントラバスの角谷朋紀さんとデュオで1800年前後のプログラム。角谷氏は歴史的な製法のガット弦をご自身で手作りしていらっしゃいます。私はバロックとモダン両方の楽器に彼の弦を張って弾いています。20世紀における弦楽器の弦は、スチール弦の普及、ガット弦産業の衰退、古楽の復興とともに生まれた新技術といった様に激しく変化がありました。18世紀と同じ方法で作られた、そして音質が良く、凹凸があり陰影や抑揚のある「言葉をしゃべる」ガット弦は貴重です。
今回のリサイタルでは、18、19世紀のチェリスト達のカプリス(奇想曲)、そしてスコルダトゥーラ(変則調弦)で演奏するバッハ組曲第5番(無伴奏チェロによるフーガの原点!)と、4年前にエスカンデ氏に委嘱した作品を演奏します。弾くたびに新しい発見のあるガット弦での技術、音楽語法を楽しみながら準備しております。
1月以降、バロックの楽器のA、D、G線をプレーンガット弦にしています。1700年代後半まで、3弦のプレーンガット弦とC線の金属巻きガットという組み合わせが一般的でした。これを実践することで、現代的な「弾きやすさ」よりも、当時の音楽の捉え方を改めて見直した音楽作りをしています。
ピアッティは19世紀のチェリストで、現代では学生時代に一度は取り組む技巧的なカプリスの曲集で有名ですが、最近、彼の作曲した無伴奏曲やピアノとの二重奏曲などが見直されて多くのチェリスト達によって演奏されています。彼はエンドピンを使わずに演奏するのを好んだようです。『「ニオベ」の主題によるカプリッチョ』は当時流行ったオペラのアリアのテーマを使った変奏曲で、アルペッジョ、スピッカートなどの右手の超絶技巧、高音域(ハイポジション)を駆使した華やかな即興的な音形があちこちに使われる、ロマン派らしい作品です。この演奏技術はガット弦によって生かされるのかもしれない、と感じています。
よろしければお越しいただけましたら嬉しく存じます。ご予約はフライヤー記載の連絡先、MA企画 kikaku_ma(a)yahoo.co.jp ( (a)を@にタイプし直してください)までご連絡お待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
季節の変わり目、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。

2024年4月20日(土) 無伴奏チェロリサイタル “ガット弦の魅力” Gut feeling! その3
2回公演【時間】15:30/18:30
【場所】同仁キリスト教会[東京都文京区目白台3丁目10−9]
【プログラム】
G.M.ダッラーバコ:11のカプリッチョより
A.ピアッティ:G.パチーニの歌劇「ニオベ」の主題によるカプリッチョ
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV 1011
P.エスカンデ :白い馬のフィドル(2020年)
【料金】一般4000円/中高大学生2000円/小学生500円
未就学児無料 車椅子席ご用意できます
【主催/予約/問合せ】MA企画 kikaku_ma☆yahoo.co.jp(☆を@にタイプし直してください)メールでのお問合せは前日18時まで。
【チケット取扱い/問合せ】ベアータ☎︎03ー6317ー8916
💡チラシはこちらからご覧いただけます
20240420チラシ表.pdf
20240420チラシ裏.pdf