この音階のコーナーでは、様々な音階の練習を挙げていきます。今回はオクターヴの音階についてです。
チェロでオクターヴの音程を取るとき、すぐに思いつく指遣いは親指と3の指の組み合わせです。ハイポジション(親指のポジション)において、他に、1と4、親指と2、なども曲の中では使います。
ここでは親指(⚲)と3の指遣いで、1オクターヴの音階を挙げます。
まず、大切なことは、下の音に1オクターヴ(完全8度)上の音が乗っている、いい響きの音程を取っていくことです。オクターヴの響きがよければ、音程を取る助けになります。
次に、押さえ方です。同じ指でスライドさせて次の音で止めて、またスライド、止める、を繰り返す動きの連続にならないように。毎回、親指と3の指でつかむような感覚で、柔軟に動きます。まるでシャクトリムシのような動きを想像してみてください。
音階とアルペッジョ、テルツェンTerzenも一緒に。
スラーをつけずにゆっくり、動きを確認して、いい響きで弾けるように鳴ったら、スラーをつけても気持ちよく滑らかに弾けるでしょう。
1オクターヴ内の各音の指の柔軟な感覚をつかむために、それぞれ音階で弾きます。上下に二通り指遣いを書きました。小指も使いましょう。
音階の音程の取り方は簡単ではありません。導音を高く(狭く)旋律的にしたり、和声を意識して取る方法もあります。調律法によっても音程の取り方は変わります。自分一人ではなく、人と一緒に弾くアンサンブルのときには、鳴っている音に瞬時に合わせることも必要です。
また、音階は、長調または短調だけではなく、世界各地の民俗音楽の持つ独特な音階や音程があります。現代音楽では、様々な民謡や民俗音楽に基づく、または影響されているものもあります。
耳を使わずに音階を練習して、手が固定され、機械的に動くことに慣れてしまうと、曲を弾くときに柔軟に対処できなくなります。
ですから、どのように弦を押さえるか、指先の感覚を鋭くして音程のツボを探す押さえ方はとても大切です。