2020年06月10日

音階 その4 オクターヴ

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この音階のコーナーでは、様々な音階の練習を挙げていきます。今回はオクターヴの音階についてです。

チェロでオクターヴの音程を取るとき、すぐに思いつく指遣いは親指と3の指の組み合わせです。ハイポジション(親指のポジション)において、他に、1と4、親指と2、なども曲の中では使います。
ここでは親指(⚲)と3の指遣いで、1オクターヴの音階を挙げます。
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まず、大切なことは、下の音に1オクターヴ(完全8度)上の音が乗っている、いい響きの音程を取っていくことです。オクターヴの響きがよければ、音程を取る助けになります。
次に、押さえ方です。同じ指でスライドさせて次の音で止めて、またスライド、止める、を繰り返す動きの連続にならないように。毎回、親指と3の指でつかむような感覚で、柔軟に動きます。まるでシャクトリムシのような動きを想像してみてください。

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音階とアルペッジョ、テルツェンTerzenも一緒に。
スラーをつけずにゆっくり、動きを確認して、いい響きで弾けるように鳴ったら、スラーをつけても気持ちよく滑らかに弾けるでしょう。

1オクターヴ内の各音の指の柔軟な感覚をつかむために、それぞれ音階で弾きます。上下に二通り指遣いを書きました。小指も使いましょう。
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音階の音程の取り方は簡単ではありません。導音を高く(狭く)旋律的にしたり、和声を意識して取る方法もあります。調律法によっても音程の取り方は変わります。自分一人ではなく、人と一緒に弾くアンサンブルのときには、鳴っている音に瞬時に合わせることも必要です。
また、音階は、長調または短調だけではなく、世界各地の民俗音楽の持つ独特な音階や音程があります。現代音楽では、様々な民謡や民俗音楽に基づく、または影響されているものもあります。
耳を使わずに音階を練習して、手が固定され、機械的に動くことに慣れてしまうと、曲を弾くときに柔軟に対処できなくなります。
ですから、どのように弦を押さえるか、指先の感覚を鋭くして音程のツボを探す押さえ方はとても大切です。
posted by makkida at 22:53| 音階 | 更新情報をチェックする

2020年06月09日

音階 その3

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この音階のコーナーでは、様々な音階の練習を挙げていきます。今回はちょっと筋トレ!

[2]4オクターヴ
Aデタッシェ
前回の4オクターヴ音階を弓は飛ばさずに(スピッカートではなく)、弦に弓を置いたままデタッシェで。右手と左手が一致するように。
1音を4つずつ、3つずつ(3連符)、2つずつ、
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最後に一つずつを止まらずに10〜12往復。途中で止まったらやり直しです。
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指に気を取られるとつい呼吸を止めがちになるかもしれません。かなりの筋肉運動になるので、息が上がってしまうでしょう。呼吸を止めないように(例えば、4分音符4つで吐く、吸う)意識して。慣れれば、自然に呼吸を伴って弾けるはずです。
何回弾いても途中で止まってしまう場合は、連続して弾き続けると力が入ってしまうので、いったん休憩を取ります。明日うまくできますよ。

速い動きで回数を重ねていくと、体の動きが小さくなり、ポジションチェンジの幅が曖昧になりがちです。下降の時、A線の4(5)ポジションから1ポジションへ向かっていく際の左手(肩、上半身)を固めずに、柔軟に連動させます。
右手が楽に横に動き、弦の上に安定していること。指の運びの意識と同時に、動きが常に流れていること、バランスが必要です。多少の音程の乱れはあまり気にしないで。
頭も身体も程よくリラックスする感覚を持ちましょう。

スチール弦でも激しい運動ですが、ガット弦を張った楽器で、特に音程の幅が大きい調整の場合、この速い動きで音程を押さえるのはかなりの運動量です。もちろん、ゆっくり弾くときのように一音一音のツボを押さえる必要はありません。スチール弦よりもポジションチェンジの幅が大きくなる(ほんの少しですが)ことを意識し、準備して弾く、ひとまわり大きく動く感覚を持つことです。

終わったら、音程を確かめるために、テンポを落として、音をよく聴きながらもう一度。

この練習を飛ばし弓(スピッカート)で行うこともオススメです。

次回はオクターヴの音階です。
posted by makkida at 23:03| 音階 | 更新情報をチェックする

2020年06月08日

音階 その2 +指遣いについて

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この音階のコーナーでは、様々な音階の練習を挙げていきます。2回目からは速い動きです。

[2]4オクターヴ音階
@スラー
四分音符で4つずつスラーをつけて、滑らかに。
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8つスラー・・・2往復でボーイングが戻る。
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16つスラー・・・4往復でボーイング戻る。
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最後は下から上まで一つのスラー、逆も同様、上から下まで一つのスラー。移弦やポジションチェンジを滑らかに。

💡指遣いについて
最も一般的(容易に考えられる)指遣いは、低音ではなるべく1ポジションと開放弦を使い、A線の4ポジション以降(親指のポジション)で1-2の連続に、最高音には1-2-3で達する方法です。高いポジションでの1-2の連続は簡単ですが、ポジションチェンジが多くなります。
ここに挙げた指遣いは、開始から3つ目の音を1の指にすることによって、開放弦を使わず1-2-4(1-3-4)、A線の親指のポジションでは(4を使わない時に)1-2-3の連続で上がれて、下りは3-2-1で帰ってこられます。どの調性でも、3つ目の音を1の指にすれば応用がききます。

そのほかに、2-3の指遣いの連続も考えられます。この指遣いでは、手(指)の角度が弦に対して斜めになり、軽く滑らすように動かすことが可能です。
18世紀後半、イタリアのチェロ奏者Lanzettiが書いた「原則と応用」に、低いポジションでこの指遣いが頻繁に示されています。
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後期バロックから古典派の技巧的作品における、(比較的細かい音価の)音階のパッセージで使われたと思われます。
1-2-3-4の指遣いはバロック時代から引き続き使われています。
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いずれにしても、指や手を、腕や肩の動きと連動させて、柔軟に動かす必要があります。18世紀の絵画の中で、弦楽器の演奏家の手はとても柔らかく描かれています。手の形を横から固めてしまうと、この指遣いは難しく、使う意味がありません。

次回はデタッシェでの音階練習です。
posted by makkida at 00:17| 音階 | 更新情報をチェックする

2020年06月06日

音階 その1

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この音階のコーナーでは、様々な音階の練習を挙げていきます。

[1]ゆっくり、音を聴く
C線の低音からA線の高音まで(4オクターヴ)、全音符でゆっくり。自分にとっての「ゆっくり」テンポで。
お腹で呼吸をすることを忘れずに。呼吸をコントロールする必要はありませんが、弓の速度と呼吸が自然に合ってくるでしょう。
音が潰れず、カスレもせず、今日の楽器の調子と、弦に対して弓の吸い付き方を確認します。
自分自身の身体の調子も観察できるでしょう。今日は調子いい、硬い、落ち着かない、色々気になる、気にしないで音を出せる、とか。
楽器の共鳴や、倍音がどのように出ているか聴きます。

開放弦は最も楽器が共鳴する音です。「開放」の言葉通りです。
完全5度で調弦されているヴァイオリン属の弦楽器では、開放弦のない音でも、開放弦から完全音程で響きのある音程を取ることができます。その例。
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posted by makkida at 23:46| 音階 | 更新情報をチェックする
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