2021年04月04日

白い馬のフィドル

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今日はイースター。
世界では、民族同士の対立、強権や独裁政権による暴力、民主化を求める運動で、たくさんの犠牲者が。難民が。
無残な死、真っ暗闇の中、終わりがないように見える紛争、ただ苦しみだけが重くのしかかる人々。
この地上で、同じ人間が生きる権利さえ奪われているときに、復活の希望があるのだろうか・・・

破壊された土地。
灰色の中から、緑が。植物の芽が顔を出す。鳥の声が聴こえる。新生児が生まれる。
地球にはいつでも新しい生命の誕生がある。
なんという、つらい、悲しい生命の循環。

言葉もないとき、音楽が心を慰める。つかの間の生きる喜びを、精一杯与えてください。

4月21日のリサイタルでパブロ・エスカンデ氏に委嘱した新曲「白い馬のフィドル」。
昨年予定していたリサイタルで初演のはずが、パンデミックが始まって延期になり・・・。この一年、本当に色々ありましたが、この曲を弾くための充実した時間が有難い。ただ「寝かした」だけでなく、身体に入る、ピタッと合うための、いい準備の期間になりました。
若者と不思議な馬頭琴の物語による音楽。大事な馬を支配者に殺され悲しみに暮れる若者。夢に現れた彼の馬が言う通りに、亡骸を使って組み立てた楽器を奏でると、その平和の調べは民衆の心を慰める。
パブロがこのイメージで曲を書き上げたとき、このモンゴルの若者と馬を題材にした民話のことは知らなかったという。彼のお連れ合いが「スーホの白い馬」の話をすると、あまりにイメージがぴったりだったので驚いたそう。
サウンドもリズムも、技術的な試みも演奏者を満足させてくれます。
素敵なインスピレーションによって生まれた、まさに生命の循環の音楽です。
死者の哀悼、受難日のための音楽、ジョン・タヴナーのトリノス(哀歌)に続いて演奏します。
どうぞお楽しみに!
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